Seneca

叡智によって、激動の世の中を生き抜こう

「インセル」自らの魅力のなさに絶望し、女性嫌悪に陥る人々

アメリカ・カナダでは「インセル(incel)」と言葉が広まっています。

「incel」というのは、「involuntary celibate」という言葉の略です。

involuntary =不本意な、非自発的な

 celibate  = 禁欲主義者 独身者

「involuntary celibate」とは「不本意な禁欲主義者」「非自発的独身者」ということです。望んでいるけど恋人がいない人・セックスできない人ということです。

インセルを自称する人々はインターネット掲示板などで女性嫌悪をあらわにしているようです。彼らは女性とセックスできないことに強い劣等感を感じており、セックスできないのは女性に責任があるということで、女性への復讐に燃えています。アメリカ・カナダでは過激派による銃乱射など痛ましい事件が続いております。

彼らにとっては、女性にもてている男性も復讐の対象です。恋愛・性交渉の経験により、自分たちに性交渉のチャンスが回ってこないことを女性やもてている男性のせいにしています。

そして、インセルインセル自身を嫌悪しています。生まれ持った遺伝子がもてている男性は優秀だと考え、自分たちは劣っているとみなします。一部の過激派は、こうした不平等をぶち壊そうとして、凶悪な事件を起こすわけです。

 

「モテないのを何で人のせいにしているんだ!?何考えているんだこいつらは!?」

「たかがもてないくらいで、何でこんなことを?!」

まともな人で正義感が強い人ならすぐこんな風に考えると思います。犯人がやったことは許せることではない。それは大前提。そしてインセルの思想は非常に歪んでいます。インセルの思想は、実はけっこう歴史のあるもののようで、一筋縄ではいかないようです。日本でその思想を詳しく知ることはけっこう難しいのですが、また勉強してみようと思います。

ともかくも、ここでわかることは、「恋愛」「性交渉」などから生じるコンプレックスも、「貧富の差」「宗教・人種の違い」などと同じく、社会的な治安を悪化させる要因となりえてしまうということです。

アメリカ・カナダでは、女性に関するコンプレックスで絶望している男性がそれほど多いということです。男性にとって「恋愛」「性交渉」というのは、大変デリケートな問題なのです。