Seneca

叡智によって、激動の世の中を生き抜こう

手塚さんの『ブッダ』について

釈尊の生涯を記したものを仏伝といいます。

仏伝にも時代によって様々な種類があり、内容も微妙に違っているようです。

私は中学生時代に手塚おさむの『ブッダ』を読んだことがあり、釈尊の生涯のだいたいのイメージをつかむことができました。

おそらくこの漫画も、たくさんの仏伝を参考にしながらつくられたのでしょう。きめ細やかな設定など、本当にすごいなと思います。釈尊が生まれるまえから物語は始まっており、やがて釈尊が臨終するまでずっと物語が続いていきます。壮大なストーリーです。

だた、今思い返すと、手塚さんの『ブッダ』は完全にファンタジーであり、よくわからない超能力が描かれていたりしておりました。

あと、たくさんのオリジナルキャラクターが登場しておりました。仏伝に登場は絶対してこないような人物がたくさんおり、この人たちって本当に存在してたのか??と読みながら疑問に感じることも多かったです。例えば、巨大な体の登場人物がいるのですが、古代は巨人がいたのか??とか疑問に思ったり・・・

中学生のころ読んだときは面白くても、大人になってから読むと、ちょっとこうした手塚さんの独自の設定が少し余計だな、と思うこともありました。

とはいえ、この漫画を読んだ人は、釈尊ブッダ)が身近なものと感じられることでしょう。

釈尊は王子として高貴な身分ととして生まれ、物思いにふけりがちで、やがて妻も子供も捨てて出家をします。最初に取り組んだのは瞑想修行、そして苦行を行い、やがて悟りを開き、多くの弟子ができ、生涯を終える。

こういった釈尊の生涯のだいたいのイメージをつかんでおくことで、仏教の勉強もしやすくなるのではないでしょうか。国民の教養を深めるという点においては、素晴らしい漫画だと思います。