Seneca

叡智によって、激動の世の中を生き抜こう

原始仏教に、恋愛欲・性欲を消す方法はあるか?(男性・異性愛者視点から)

私は原始仏教に興味があるのですが、その理由は「欲望を捨てさる生き方」に魅力を感じたからです。

釈尊は、この世に生まれ、生きていくこと自体を苦しみであると説きます。

そして、釈尊は欲望をすっぱりと捨てることで、安穏の境地が訪れると説きます。

全ての欲望は苦しみのもとになるからです。

 

では、人間にはどんな欲があるでしょうか?

欲望の代表的なものといえば、やはり食欲でしょう。

食物を取り入れてカロリーや栄養を摂取することは、人間にとってガッチリと備わっている生命を維持するうえでの根源的な欲望です。

ほかには睡眠欲もあります。

これも非常に根源的な欲望です。疲れているときは誰もが寝たいものです。

これは誰もが本能的に理解できると思います。

釈尊は、贅沢なものを食べたり、だらだら寝たりするのは、食欲・睡眠欲を刺激することになるので、戒めていました。(当然のことですが、最低限食べたり、寝たりして生命活動を行うことまでは否定してません。自殺はすすめていません。)

さて、ほかにどんな欲望があるでしょうか。

 

 

人間には食欲・睡眠欲に負けないくらい強い強い欲望があります。

それが恋愛欲・性欲です。

これらの欲望は、不思議な欲望です。

満たさなくても生命にかかわることはないからです。

にもかかわらず、人はこれらの欲望に大変苦しめられます。

生命には子孫を残すしたいという本能がインプットされているからです。

性欲・恋愛欲は人間に非常に強く刻み込まれています。

特に男性。ものすごいものがあります。

モテない男性が辛い思いをするのはこれが原因です。

 

 

さて、私も20代のころは、大変苦しんできました。今もですが。

恋愛欲・性欲はなかなか抑えること難しい欲望です。

なぜなら、パートナーが必要になるからです。

これは正直苦しい。女性へ声をかけるのも一苦労だし、お金もかかるし、大変なこともおおいです。それで成長できるのも確かではあるが・・・。

それよりも、女性とつきあいたいという欲望そのものを抑え、消してしまう方法があるのではないか?と思い、原始仏教に着目しました。いささか極端ではありますが・・・。

ある程度原始仏教を勉強するなかで、その方法を模索してきました。

そこで、今回は恋愛欲・性欲を消す方法を、上げてみたいと思います。とりあえず現時点でわかっていることだけです。

ちなみに、原始仏教の教団(サンガ)は、明らかに男性中心の組織でしたので、あくまで男性視点からの方法になります。そして異性愛者の視点になります。ご了承ください。

①出家する

修行僧として、サンガで生きることを決意した人々は、家族と生活することなく、(つまり家族と縁を切って)共同生活をすることとなります。恋人を作ったり、まして性交渉をしたものは追放されます。

そういった集団の中にいることで、自然と恋愛欲・性欲は薄れていったのだと思われます。

これははっきりいって現代日本に住んでいては、不可能ですので採用できません。

タイなどの仏教国へ行って、本当に僧侶になるならできそうですが。

ただ、日本も仏教国。座禅などを行っているお寺はたくさんあります。

座禅教室へいったり、写経へいったりして、出家の雰囲気を少しだけ味わってみるのも、心が清まっていいかもしれません。

②食欲を抑える

ある仏教学者によると、断食修行を行うと、心身清浄このうえなく、性欲は完全に消え去るそうです。脳科学によると、食欲と性欲はつながっているそうです。

釈尊は断食修行を徹底的に行ったことがわかっています。

食欲だけでなく、性欲を抑える目的があったのではないかと思います。

サンガのきまりごとにも、とにかく食は少食にするよう戒められています。

食に着目するのはアリかと思います。

できるだけ粗食にして食欲への執着をなくしていく。

もしくは断食でもいいのかもしれません。しかしこれは一人でやるのは危険です。

断食道場なども全国各地にありますので、適切なやり方であれば健康にも良いのではないでしょうか。

 

③女性の死体をながめつづける

こちらは日本でトップクラスの実績を持つ仏教学者の方から聞いた話です。

サンガの中で、女性に関する欲望が消えない若い修行者は、女性の遺体をひたすら眺めるという修行をすることで、女性の身体への魅力を感じないようにさせたそうです。

古代インドでは現代よりもはるかに貧しく、戦乱が身近にあった時代です。女性の遺体はいたるところにあったのだと思われます。

現代では女性の遺体をみることなんてまずないし、さすがにこれは過激なやり方です。正直このやり方は心にダメージを残しそうなので、あまりやりたくありません。

若干マイルドなやり方があります。

「九相図」とネットで検索するとわかるのですが、日本には、女性が腐乱していく様を描いた仏画が伝統的に存在しています。

どうも、鎌倉時代あたりではないかと思います。

明かに、先程の女性の遺体を眺める修行法が日本にも受け継がれたことを示しています。この九相図、いろいろ種類があります。この絵を眺めるだけでも、恋愛欲・性欲を抑える修行に少しはなるかもしれません。

この修行のポイントは、女性の身体へのとらわれをなくすということですね。

人間の身体を汚らわしいものとみる、という考え方は経典のいたるところで見受けられます。釈尊も、「糞尿の詰まった女体など触れたくもない」といったことを経典の中で述べています。ちょっと過激ではありますが、女性を神聖視しないということです。

ちなみに、糞尿が詰まっているのは男性も一緒ですので、女性を差別した発言というより弟子たちを修行に専念させるための言葉と思った方がいいと思います。

④生きている女性を見ないようにする

これは女性へのとらわれがなくすことができない弟子へ釈尊が言ったことです。

一見③と矛盾しているようですが、③は女性の醜い姿をあえて直視するということです。これは逆に生きている美しい女性の身体を見ないようにするということです。

どちらも、女性の魅力にとらわれないようにする、という点で共通しています。

これは現代でもなんとか応用可能かもしれません。

女性と一緒に仕事をしているときなどは不可能ですが、例えば卑猥な画像・映像とか、写真集とか、そういったものに触れないようにすることは可能です。

視覚から刺激を受けないようにすることが大切ですね。

④瞑想をする

これは原始仏教の基本的な修行法ですね。

瞑想は欲望を制御し、悟りへ近づくことを目的としています。

仏典に具体的な修行法が記してあるものは少ないのですが、いまは本なりネットなりでいくらでも知らべることができます。

ただ、瞑想を実践するにはかなり根気がいるのも事実で、ほとんどの人は効果が出るまでにやめてしまうということもきいたことがあります。

私も取り組んでいる最中ですが、けっこうさぼってしまいます。

とにかく気長にやる必要がありそうです。

 

以上、恋愛欲・性欲を消す方法をあげてみましたが、正直決定的なものはまだありません。しかし、これらの欲望をコントロールできるようになれば、人生かなり生きやすくなるのではないでしょうか。特に現代のような恋愛市場主義社会では。

モテない人であれば、いったん恋愛や性交渉への渇望を除去して、楽になれるかもしれません。

現在恋愛している人でも、恋愛中の苦しみをある程度緩和する術を覚えておけば、常に冷静な視点を持ちながら、恋愛に取り組むことができるかもしれません。

失恋した人ならば、次のステップへ進むきっかけになるかもしれません。

 

この問題に関しては、私も継続して勉強していこうと思います。

今回はとりあえず、ここまでにしておきたいと思います。

読んでくださった方はありがとうございました。